🔶《第7回》私の『137億年の物語』

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   この章は、石炭紀(3億5900万年前〜2億9900万年前)から、爬虫類が支配するペルム紀、そして2億5200万年前(2億5100万年前とする説などがある)の「ペルム紀の大量絶滅」までのことが内容です。とにかく「ペルム紀の大量絶滅」がすごい。想像を絶する事態が起こったのです。生命誕生から今日まで、地球上で大量絶滅といわれるものが5回起きています。それをビッグファイブとも呼んでいます。そして、その中でも最大級の大量絶滅がこの「ペルム紀の大量絶滅」でしょう。このシリーズの投稿で、第3回の「地球と生命体のチームワーク」の中でも、プレートの移動の説明の中で既に「ペルム紀の大量絶滅」のことについて触れました。生命がどのくらいの率で絶滅したかは、はるか昔のことなのでその推定は難しいでしょう。当然諸説あります。この本では全生物の96%が絶滅したと書かれています。ウィキペディア フリー百科事典では、海洋生物の96%、全生物の90%〜95%が絶滅した(ウィキペディア :「ペルム紀」2017年2月1日5:06更新)とあります。全生物のほとんどが絶滅するという驚きの数字です。しかし、このペルム紀後期の大量絶滅に至った凄まじい正に地獄の世界を知れば、「よくぞ数%の生物が残ってくれた」とも思ってしまいます。

 

   それでは改めてペルム紀末の地獄の世界を見てみましょう。シベリアン・トラップ(シベリア・トラップ)についてもシリーズ第3回目で紹介しましたが、改めてその規模や場所など、シベリアン・トラップの概要を見ていきましょう。

 f:id:takeo1954:20170210051406j:image〈出典〉ウィキペディア  フリー百科事典 「シベリア・トラップ」 更新日時  2016年 11月26日 7:30

 https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Extent_of_Siberian_traps-ru.svg#mw-jump-to-license

     上の地図で、黒い線で囲ったところがシベリアントラップといわれている場所になります。広大なのが分かります。ドイツ以西の西ヨーロッパに匹敵する面積です。この広大な土地に遥か昔に爆発的な噴火あり、その証拠となる溶岩が残っているのです。その大量の溶岩が噴出した場所は、シベリア大陸としておよそ5億年前から存在し、安定した基盤の大陸だったところです。なのでプレートの移動によって大陸が引き裂かれた場所に大量の溶岩が噴出したのではなく、もともとあった大陸を突き破って溶岩が噴出しているのです。その大陸を突き破ったもとになったのは、このシリーズ第3回で紹介したマントルのスーパープルーム(プリューム)だといわれています。もちろんこのスーパープルームの発生は、プレートの移動に伴う大陸同士の衝突が関係していると推測されます。

 

   プルームには、マントルが上向きに移動するホットプルームと下向きに移動するコールドプルームがあります。こちらもウィキペディアからの引用になりますが、「現在南太平洋の下は、スーパーホットプルームが存在し、大地溝帯(グレート・リフト・バレー)が形成された原因であり、南太平洋に点在する火山の源であると考えられている。また、ホットプルームは外部マントルと内部マントルの境目の深さ670Kmの部分でいったん滞留した後に上昇するため、通常では地上へ激甚な影響を与えることはない。」。一方現在もユーラシア大陸の東、シベリア東部にあたる場所の地中深くのマントルには、下向きのスーパーコールドプルームがあります。「スーパーコールドプルームは周辺のプレートを吸い寄せるため、陸地を1か所に集めて超大陸を形成する原動力にもなる。」といいます。そのためその上にある陸地、シベリア大陸はプレートに比べて比重が軽いので、沈み込むプルームに対して浮いた状態になります。従って安定した陸塊、大陸になるといわれています。

 f:id:takeo1954:20170215052336j:image〈出典〉 ウィキペディア  フリー百科事典 「プルームテクトニクス」更新日時 2016年12月24日 13:49

https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Lower_Mantle_Superplume.PNG#mw-jump-to-license

    しかし、スーパーコールドプルームによってプレートが吸いよせられて超大陸ができる。そして今度はスーパーホットプルームの甚大な力が強まり、超大陸が引き裂かれるプレートの動きが生まれる。シベリアントラップにつながったのはこの時だといわれています。通常ホットプルーム(マントルの上昇対流)は、一旦内部マントルと外部マントルの間に滞留しますが、この時は滞留することなくマントルの溶融したマグマが、マントル上部に到達し、本来安定した大陸塊であるシベリア大陸の地殻をも突き破って超巨大噴火が始まった。そんなプロセスをたどったと思われます。改めてその時のシベリアントラップが形成された噴火の規模です。第3回目の投稿で、「富士山の噴火の規模とは比較のしようがない」と書きましたが、その比較がこれもウィキペディアになりますが、その「ペルム紀」に「噴火した溶岩の量は、富士山の過去1万年間で噴火した溶岩の量の10万倍である」とあります。とにかく桁違いの超巨大噴火でした。そしてそれは地球環境を激変させました。

 

   大噴火は、先ず溶岩とともに有毒のガスと灰を噴出させます。そして噴煙(火山灰)は地球全体を覆い、昼も夜も区別出来ない暗黒の酷寒の世界が50年前後続く。やっと噴煙が収まると今度は噴火によって大量に放出された二酸化炭素の温室効果のために気温と海水温を急上昇させます。海水温上昇は海底のメタンハイドレートを不安定にさせ、メタンガスを放出させ、更に二酸化炭素濃度を上げます。こうして地上も海中もほとんど無酸素状態になります。海中の無酸素状態は1000万年〜2000万年続いたといわれています。こんな状態では生物が生き残ることは絶望的だったことが分かります。「よくぞ数%の生物が生き残ってくれた」という気がします。この中の一つが私たちの祖先になるからです。

 

   ところで、この章の中に驚くべきことが書かれています。「2006年6月に、南極大陸東部の氷床の下に、直径約480Kmのクレーターが発見され(2億5100万年ほど前の衝突とされる)、巨大隕石の衝突も大量絶滅に関与したのではないかと考えられるようになった。」とあります。この次の章で登場する恐竜の大量絶滅につながった6550万年前にメキシコ、ユカタン半島先に残っている巨大隕石によって出来たクレーターの直径は160Km超とされています。だから南極大陸東部のクレーターの方が面積で数倍大きい。衝突した隕石の大きさを比較すると、6550万年前のものが直径10Km、ペルム紀のものは直径50Kmと推定されています。この直径で両方の体積を比較すると、ペルム紀に衝突した隕石は、恐竜絶滅の要因とされる隕石のざっと125倍です。当然破壊力も体積比と同じということになります。

 

    話しがまた変わりますが、今から13年前の2004年の4月から11月にかけ、NHKでNHKスペシャル「地球大進化〜46億年・人類への旅」という番組が、全6回で放映されました。俳優の山崎努さんがナビゲーターとして出演した番組で、視聴した方も多いと思います。その番組の第1回目で、40億年前に地球に直径約400Kmの巨大隕石が衝突したという科学者の説に基づいて、同じ規模の巨大隕石が「もし現在の地球に衝突したら」という内容で、衝突の場面を科学の専門家のシュミレーションで映像化し放映されました。衝突の場所は日本の南方1500Kmの太平洋の上です。その衝突のシーンの一部を写真ですが紹介します。

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【巨大隕石(直径400km)衝突の瞬間。衝突する直前の速度は時速7万2000Km】

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【このクラスの隕石の衝突では、津波ではなく、地球の地殻を巻き上げながら押し寄せてくる「地殻津波」となる。日本が呑み込まれる瞬間】

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【衝突の爆風で、地殻の破片(約1Km大)を地上数千Kmの宇宙に放出し、その後地球の引力で隕石となって落ちてくる。】

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【衝突地点(数千Km)の温度は太陽の表面温度とほぼ同じ4000〜6000度。この温度は地球の岩石を一気に気体(岩石蒸気)にして、地球全体に広がる。】

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【巨大隕石の衝突でできたクレーターの直径はおよそ4000Km。クレーター周辺は高さ7000mの山脈のようになる。】

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【高温の岩石蒸気が全て地球を覆い、海水は全て蒸発し、更に海底の岩石も溶けだすほどの高温で覆われる。】

 

    ペルム紀末、南極大陸東部に衝突した巨大隕石は、上で見た直径400Kmの隕石より小さいものの、6550万年前の恐竜を絶滅に至らせた巨大隕石の125倍の超巨大隕石です。同じように巨大な地殻津波を引き起こし、全地球を高温の岩石蒸気で覆ったでしょう。当然地球内部のマントルの奥深く到達し、甚大な衝突による衝撃圧力を与えます。同じ時期に丁度反対側のシベリアでシベリアントラップとなる巨大噴火が起きています。ということは「シベリアントラップの巨大噴火は、この巨大隕石の衝突が引き起こした」。そんな気がします。詳しく分かりませんが、もうそんな仮説が発表されているかもしれません。

 

 

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⚫︎この章は、魚から陸上動物への途中形態の動物から爬虫類が支配するペルム紀、そして〝ペルム紀の大量絶滅〟までの内容。


⚪️陸に上がった魚
・デボン紀後期の3億7500万年前、肉質のヒレを持つ魚と四肢動物の特徴を併せ持ったテイクターリクと呼ばれる動物(成長すると3メートルにもなった)が現れ生息した。
・さらに数百万年後イクチオステガという最初の真の四肢動物が登場した。もはや魚ではなくわれわれの遠い祖先になる。
・約3億4000万年前、イクチオステガから進化し、現両生類の祖先と見られる分椎目(ぶんついもく)が登場する。おとなのワニほどの大きさのものからイモリくらいの小さいものまでいて地上で繁栄する。生まれるとしかし、大陸が集まって巨大な超大陸が生まれると、産卵が水辺に限られた両生類にはさらなる繁栄は難しくなった。


⚪️人類の遠縁あらわる
・3億1500万年前ごろ両生類と違い、陸上で産卵できる爬虫類が登場する。最古の爬虫類はヒロノムスだ。その後哺乳類の祖先で人類の遠縁にあたる単弓類が出現する。頭部の左右に側頭窓という穴があり、その下にあるアゴを大きく開け、力強く咬むことができるようになった。
※側頭窓は耳にもつながっていく。
・単弓類で最も繁栄した種の一つは、ディメトロドンで、背中に大きな帆を持っていた。この帆は熱交換器の役割を果たし、他のどの動物より早く体温を上げることができた。ディメトロドンは、哺乳類の温血性を先取りしていたのだ。


⚪️ペルム紀末の大量絶滅
・今から2億5200万年前、地球上のあらゆる生物は劇的な終焉を迎える。〝ペルム紀の大量絶滅〟である。
・そのころには、すべての大陸は1カ所に集まって、超大陸〝パンゲア〟を形成していた。その他は〝パンサラッサ〟と呼ばれる広大な海洋が広がっていた。これによって海流は劇的に変化し、激しい季節風が襲い、暑く乾燥した時代が訪れた。
・巨大な大陸が衝突すると、火山の噴火が増え、超火山が出現する。その当時の超火山の証拠が今も残っている。シベリアン・トラップだ。この超火山は100万年以上にわたつて噴火し続けた。
・2006年に南極大陸東部の氷床の下に、直径約480Kmの巨大クレーターが発見された。パンゲア出現の時期に巨大隕石の衝突があったと考えられるようになった。そのため巨大隕石衝突と超火山の噴火の二つが生物の大量絶滅に影響したとされるようになっている。
・超火山の大噴火は、噴火当初猛毒の灰が吹き上げられ、スモッグとなり、全地球を暗黒の世界に陥れた。昼も夜もない酷寒の世界が50年続く。その後火山灰が収まると、今度は噴火により放出された大量の二酸化炭素によって、気温と海水温を上昇させ、海からは大量のメタンガスが噴き出し、更に地上の気温を上昇させた。その結果、地球上の生物の96%が絶滅したと見られている。

 

    次回第8回のテーマは「恐竜戦争」です。